入ってはならない西の外れの部屋に入ってしまった頼子ちゃん、果たして部屋の中には何があるのかしら・・・?


〜Beauty and Beast〜


頼子は開かれた扉の隙間をそっと覗く、部屋の中は真っ暗だ。誰かがいる気配はまったくしない。
「・・・お邪魔しまーす・・・。」誰も居ないと解かっていながらも、一応ことわっておいた。
中は他の部屋と違い、あたり一面クモの巣だらけだ、ほこりもだいぶと積もっている、何年も掃除していないのだろう。
恐る恐る奥の方へ進んでいくと、なにやら煌々と美しい光が輝いていた。
「・・・なんだろ?」頼子はそっと光に近づいて行く、鮮やかに光り輝くそれは―――それは薔薇の花だった。

「・・・綺麗・・・」

頼子はため息ながらに呟く、作り物ではないかと疑ってしまうほどに美しい薔薇の花は、宝石のように輝いている。

―――そう、王子が天使から授けられたあの薔薇の花だ―――

薔薇の花びらは少しばかり散ってしまっている、王子が人で居られるのも、後わずかなのかも知れない。
だが頼子はその様な事情を知るよしもない、うっとりとした顔つきで薔薇を眺めているばかりだった。(うっとり)


「だいたいお前さんは何考えてるのか解かんないんだよ!!」
《愚者》と《死神》はまだ言い争っていた。
「・・・少なくとも君と同じようなことは考えていないよ」《死神》もほって置けばいいものを、わざわざ相手をしている。
「何をっ!!!!じゃあお前さんは女の子に興味が無いってのか?まっ!まさかホモ?」《愚者》は後ずさる(ずざざ)
「・・・・・・・。」《死神》はノーコメントである。
「おいおい、否定しろよな。」《愚者》はおどけたような表情で笑いかける、どうやら冗談だったようだ。
「まったく・・・君という奴は・・・。」《死神》は呆れ顔で呟く、ふと、あることに気がついた。

「・・・ライコさんはどこに消えた?」

《愚者》も《死神》に言われてやっと気がついた、居たはずの頼子の姿がどこにも見当たらない。
「おい〜〜!!お前さんのせいだぞ!!!」《愚者》はぴょんぴょん飛び跳ねながら、部屋を探していく。
「何を言ってる、君がどうでもいい話をするからだろう。」《死神》も文句を言いながら頼子を探す。

「くそぉ〜〜!!!どこ行っちまったんだぁ〜〜!!
 戻ってきてくれ〜〜!!ライコちゃ〜〜ん!!!!」

 

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投稿者後書き

やっとこさ第11話です・・・。送るの遅すぎですね・・・。
次回はついに皆さんお待ちのゴキブリムカデの登場です(笑)

 

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