〜Beauty and Beast〜
ガサガサ、ゴソゴソ。
頼子はタンスの奥から茶色のコートを取り出し、大きなカバンに詰めこむ。
「よしっ!!これで準備完了だね」頼子はカバンを無理やりに閉める。(ギュ〜〜〜〜)
時刻はもう夜遅くになっていた、丸い月が銀世界を照らし出している。
「・・・お父さん・・・今行くからね」頼子は重たいカバンを背負い、馬の背に乗る。
頼子は手綱を握ると、馬を城のほうへと走らせた。
ホーッ・・・ホーッ・・・ホーッ・・・
霧の深い森の中、フクロウの鳴く声だけが聞こえてくる、はっきり言って気味が悪い。
「・・・なんか出そう・・・早くお城に着かないかな・・・」頼子は馬を走らせ続ける。
森の中は雪が深く積もっていて、なかなか馬が進まない、霧の為に視界も悪かった。
頼子の乗る馬は霧を裂き、雪を踏みしめ、森の奥深くへと進み続けていく。
―――その時、視界が開けた。―――
「うわっ・・・!!」頼子は思わず声をあげていた、気味の悪い古城が佇んでいる。
「・・・まさか・・・ここじゃない・・・よねぇ」頼子は馬を降り、おずおずと城に近づいて行く。
ここではないと思いたいが、どう考えてもここ以外には考えられなかった。
城には一つの明かりも灯っていない、しんと静まり返っている・・・。
(不気味だなぁ・・・)頼子は身震いしながらも、城の扉に手を掛ける。
ギィィィィィィィィ・・・・
重々しい音を立てて、古城の扉が開かれた。
投稿者後書き
第四話、ライコちゃんこれからどうなっちゃうんでしょうか・・・(ふふふ)