王子様がお城に閉じこもって数年の時が経ったわ、果たして王子様は元の姿に戻れるのかしら・・・?


〜Beauty and Beast♯2〜


ここは偏狭の村、洋光台。ここには大河という発明家の父と、その娘頼子が住んでいる。
今日は大河が弟子の《戦車》と共に町に出て、発明した商品を売りに行く日である。
「じゃあ行ってくるね、頼子。」大河は《戦車》の車に荷物を詰め込み、娘の頭を優しくなでた。
頼子はこくりと頷いて「行ってらっしゃい、お父さん。」と満面の微笑みで見送った。
頼子は父を見送ると、家の近くの池に、水を汲みに行くことにした。
―――そのときである―――
「やぁミーナ、今日も元気そうだね。」村一番の色男、カインが声をかけてきたのだ。
その後ろには彼の妹のキャロラインがふて腐れた表情で立っている。
「なっ何の様よ」頼子はことあるごとにこの男に付きまとわれ、はっきり言って迷惑である。
だがカインは豪く頼子を気に入っている様であり、なかなか引っ付いて離れないのだ。
「お父様は出稼ぎ?じゃぁ戻って来るまで寂しいだろう?」頼子の目の前にずずいと寄って来る。
だが頼子はカインを無視してすたすたと池の方へと歩き出していく(すたすた)
「もぉほって置こうよ〜〜カインちゃぁ〜〜ん」キャロラインが退屈そうな声を上げる。
カインはやれやれと肩をすくめ、キャロラインと共にお気に入りの酒場に消えていった。

「くそぉ!!どうしてミーナは僕に振り向いてくれないんだ!!」カインはビールジョッキを叩きつける。
カインはキャロラインと共にいつもの酒場で愚痴をこぼしていた。
キャロラインは「はぁ」とため息をつき「カインちゃんが好みじゃないんじゃない?」とぼやく。
だがカインは至って真面目である「僕の何がいけないんだ?金もある、顔もいい、力も強い!!!」

―――そーゆートコが嫌われる元だっつーの―――

キャロラインは「けっ」とはき捨てた。言いたかった科白は心の底にしまって置く事にした。


「う〜〜ん・・・弱ったなぁ・・・」一方、町に発明品を売りに行こうとしていた大河は、迷っていた。
道が暗いせいか、ここが何処なのかわからない、かといって、《戦車》は寝ている。
「どうするかな・・・」ボリボリと天然パーマの髪に指を突っ込んでいた―――その時。
「・・・!!うおっ・・・!!でかい城だな!!」大河の目の前には暗闇に光る古城が佇んでいた。

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投稿者後書き

第二話です、カインちゃんとキャロラインこと《悪魔》ちゃん。
おまけに大河さんと《戦車》まで出ています^−^
運タロキャラ総出演でやっていきたいです

 

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