3日前


昴さんとデートの約束まであと3日
待ち遠しいな
約束した時に昴さんが言ってくれた事を思い出してついつい顔がゆるんでしまう

いっしょにいられるだけで幸せ

自分が好きな人にそう思ってもらえるなんてなんて嬉しい事なんだろう
誕生日は昴さんにとっても楽しい日になるようがんばらなきゃ!
今から出来る事
そうだ、当日いろんな行き先の候補を挙げられるように準備しておこう。

「サジータさん!」
楽屋に行くと、ちょうどサジータさんがいて、
ぼくが声をかけると読んでいた書類から目を上げてくれた。
「なんだい、坊や」
サジータさんなら弁護士としてビジネス街に出入りする事もあれば
ハーレムみたいに自由な人たちがたくさんいる場所だって知ってる
きっといろんなオススメスポットを知ってるに違いない
我ながらなんてナイスな人選だろう

「サジータさん、今度昴さんと出掛けるんですけど
昴さんが楽しいと思ってくれる場所の心当たりはありませんか?」

ずるり、と音がしそうな勢いでサジータさんがソファーからズッコケた。
思わずきょとんと眺めていると、
「わひゃあ!!」
いきなり首根っこをつかまれた。
なんで?!
「しーんーじーろー、あんた直球すぎ!
デートの行き先訪ねるのに、ちょっとは照れとか戸惑いとか見せてみろよ!」
昴さんと付き合い始めた頃はそういった事に不慣れで
戸惑ったりもしたし、今だって実はものすっごく恥ずかしいけど、
でも
「恥ずかしいからって、聞かなかったら
昴さんが楽しめそうな場所を知る事が出来ないじゃないですか」
「はぁ…、あんたに聞いたあたしが莫迦だったよ」
なんだか呆れられてしまった。

「あんた、ホントに昴しか見てないね」
「はい!」
「即答かよ!」
「あ、戦いのときはちゃんと隊長として皆さんの事考えてますよ」
「わかってるよ、それは。
まぁいいや、とりあえず目ぼしい候補を書き出してやるから紙かしな」

サジータさんはぶつぶつと何かをぼやきながら
今はどこの美術展でどんな展示をしているかとか、どんな音楽会をやっているか、とかいろいろ書き出してくれた。
ありがとう、サジータさん

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