2日前


サニーサイドさんへの書類を届け終わって
少し早めの昼食をとろう、
昴さんといっしょにお昼が取れたらいいな、
なんて考えながら歩いていたら屋外サロンで本を読んでいるダイアナさんを見かけた。
邪魔しちゃ悪いかな…
そう思って一言声をかけるべきか、そのまま立ち去ろうか 考えていたら、ぼくの視線にダイアナさんが気がついた
「大河さん、今からお昼ですか?」
「はい、ダイアナさんは読書ですか?」
「え?ええ…」
そう言ってなぜか頬を染め、慌てて持っていた本で半分顔を隠す。

『乙女の恋占い』

確か以前図書館で見たような…
やっぱりダイアナさんが興味あったのはこっちの本だったのか
あの時、「世界の呪術」の本を渡しちゃって悪かったなぁ…
なんて思いながらじっと本のタイトルを見つめていたら、
はっと気がついたダイアナさんが慌てて本を後ろに隠す。
「今更隠しても無駄ですよ、ダイアナさん」
「はぅ…」
こほん、とせき払いをした後、
開き直ったのか、ぼくに本を指し示して言った。
「大河さん、昴さんのお誕生日は二人でお出かけなんですよね?
なんでしたら占いますか?」
少しだけぼくは考えた。
でも
「いえ、せっかくですが、遠慮しておきます」
「まぁ、なぜ?やはり占いなんて信じてませんか?」
「いいえ!そんな事は決してないです!
占い、占星術だって先人が真剣に研究して積み重ねたものの結果です
それを軽くみるつもりはありません」
ぼくの勢いに押されつつもダイアナさんは不思議そうな顔をして言った。
「ではなぜ?当日の運勢を知りたくありませんか?」
「知っててもいいですが、知らなくてもぼくの行動は変わらないので必要ないです」
「?」
訳が分からない、と言った顔で小首をかしげる。
しまった、分かりづらかったかな
「えっと、たとえば当日の運勢が悪いと出た場合
昴さんが無事なように気をつけなくちゃいけません」
「そうですね」
「で、今度は運勢が良いって出た場合
占いを軽く見ている訳ではありませんが、絶対ではありませんから
やっぱり昴さんが無事であるように気をつけます。」
「つまり、占いがどうあろうと、大河さんが昴さんを
守る事に変わりはない、という事ですね」
「はい」
ぼくはこくりとうなづいた。
「うふふ、大河さんと昴さんは、本当に仲良しさんですね。うらやましいです」
昴さんとぼくが仲良し
ぼくは自分の頬が赤くなるのを感じた
「えへへ、だといいですけど」

ぼくの想いばっかり強いような気がするけど
仲良しと言ってもらえるのはとても嬉しかった。
もっともっと仲良くなれたらいいな。

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