4日前


もうすぐ昴さんの誕生日!!
今までだって父さんや母さん、 それに大好きな一郎叔父の誕生日が近づくと
どんな贈り物をしようって悩んだり、 それを送ったら喜んでくれるかなって
わくわくしながらその日を待ちわびたけど
今回は今までとは違う
わくわくもするけどどきどきもする
もしぼくが贈ったものを喜んでもらえなかったらどうしよう
クリスマスにまねき猫を贈った時も微妙な反応されちゃったし…
一体何を贈ったらいいのか悩み続けてたらもう4日前になっちゃったよ

こうなったら仕方ない、直接本人に聞こう!
本人に欲しいものを聞けばぜったいハズレはないもんね!
サジータさんは今日は弁護士としての仕事があるし
ダイアナさんは研修
ジェミニとリカは舞台で稽古してたから
今なら昴さんは楽屋に1人でいるはずだ
ぼくは楽屋の前に立ってドアをノックした。
「どうぞ」
中に入ると、狙い通り、昴さんは1人だった。
どうやら台本をチェックしてたみたいけどぼくを見て微笑んでくれた。

「昴さん、もうすぐお誕生日ですね!何か欲しいものはないですか?」
「大河新次郎」
「はい、なんですか?」

昴さんはがくりと肩を落とした。
なんだかとっても残念なような、呆れたような顔だ。
なんでだろう?
気を取り直してぼくは聞き直した。
「お誕生日、何がいいか考えたんですけど、思いつかなかったんです。
昴さんはお金持ちなので、もし欲しいものがあったら自分で手に入れちゃいますよね。
だから、昴さんがぼくから欲しいと思ってくれるものを聞いた方がいいかなと思って」
「…先程、その質問の答えにそのまま合致するモノを欲しいと言ったんだけど」
???なにかプレゼントになるような品物言われたっけ???
「いや、いいよ、それでこそ君だ」
「は?」
うーん、なんだかよくわからないけど
昴さんは自分の中で納得してしまったらしい。
でもなんだか楽しそうだからいいか
「誕生日に欲しいもの、ね。
君の推察通り、僕は大抵の品物は手に入れている。
だから、そうだね…」
昴さんはしばらく考えた後、こう言った。
「では誕生日は一日共に過してくれないか。僕は君と過せるだけで幸せだよ」

 

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