【そこにいる大切さ】

 

 

投稿者:ゆりなさん


苦しい時に、
声を上げる事など許されないと教わった――
 
今でも夢に見る。
あの、嫌な感覚――
大切な親友から、命の温もりが消えていく感触を。
この世界では「そんなこと」は起こらない。分かっていても、そのときに感じた思いは消えない。
 
本当は、あの瞬間。一番、嫌だったのは、自分自身やった。
 
泣けなかった自分が辛かった。
 
心から悔しいと感じたのに。守る事が出来なかったのに。
悔しいと、悲しいと、声を上げて泣く事が、どうしても出来んかった。
 
幼い頃に学んだ教訓が、こんなカタチで。自分を苦しめるなんて思っても見なかった。
そんな時に、《恋人たち》が、「泣いてもいいんだ」って言ってくれたんよ。
それでも、うちは泣けへんかった。縛られたまんまやったから――
 
あの時。
世界より、何よりも先に、自分を憎んだ――
 
だから、うちは戦うねん。自分自身とも、運命とも。
大切なものを、1つでも多く守れるようにな。
そこにあるべきだからあるんじゃなくて、理由をもって戦いたいんや。
なぁ…《恋人たち》…

 

 


投稿者後書き

文華の、《恋人たち》に向っての独白…もどき(爆)一番初めのフレーズを何となく思いついて、書き上げました。気に入ってもらえたら嬉しいですv
 

部長のコメント

ひとりで頑張ってきた文華が、《恋人たち》によって開放された瞬間。
そんな印象を受けました。
やっぱり《恋人たち》 、文華の二人はいいですね〜(〃⌒ー⌒〃)

副部長のコメント

文華の決意が痛くて痛くて・・・(泣)ずっとずっと、痛みや苦しみを飲み込んで耐えることしか許されなかったんですね。
泣く事も難しいけれど、《恋人たち》と過ごす中で文華が自分を許して泣けるようになって欲しいと、心から思いました。
書いて下さってありがとうございました♪

 

 

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