【日記】

投稿者:ゆずさん

 

  5月12日(水)

  今日は、娘が友達と楽しそうに電話をしていた。
 学校にはなじんでいるようだ。
 娘ももう高校生。月日が経つのは本当に早い。


 5月13日(木)

  隕石が中央公園に落ちたらしい。
 娘には、中央公園には近づかないように言った。
 世の中には恐ろしいことがおこるものだ。


 5月14日(金)

  娘は、友達と遊びに行くのにもちゃんと私に行き先を教えていく。
 いい子に育っている。
 私の自慢の娘だ。


 5月15日(土)

  最近、娘と旅行へ行っていない。
 久しぶりに家族水入らずでどこかに出かけようか。
 娘に聞いてみよう。


 5月18日(火)

  今日から、本格的に仕事が始まった。
 娘と同じ年頃の子と話した。
 その子には申し訳ないが、私の娘のほうが可愛い。   

 
 5月21日(金)

  今日、あの子が来た。
 棚の中を見られてしまった。
 でも大丈夫、ママが守ります。 


 5月23日(日)

  この間行った日帰り旅行の写真を現像してきた。
 娘が、可愛らしく映っている。
 さすが私の子だ。
 

 5月24日(月)

  ジュリエット役を交代した。
 仕事は順調だ。
 娘を棚から部室へ移した。


 5月25日(火)

  娘が仕事を手伝ってくれるから助かる。 
 どうやら邪魔なあの子は当日に飛ばされてしまったらしい。 
 これであたしの勝ちね!


 5月26日(水)

  今日、ママが前祝いにハンバーグを作ってくれた。
 ママが作るハンバーグはすごくおいしい。
 今度、作り方を教えてね。


 5月31日(月)  

  河内って子が、一生懸命練習をしている。
 よっぽど山根君が好きなんだ。
 彼を好きなうちに消えられるんだから、彼女も本望だよね。 
 あーあ、あたしもジュリエットやりたいな。


 6月 1日(火)

  演劇部員の中で、娘が一番上手だ。
 だけどあの子は優しい子だから、ジュリエット役を譲ってあげたのね。 
 なんて優しい子。


 6月 2日(水)

  昨日、ママがあたしのことを褒めてくれた。
 うれしい。ママ、大好き!
 ママにハンバーグをまた食べたいって言ったら、あたしの誕生日のお祝い
 に、今度作ってくれるって!
 やったぁ。
 ママのハンバーグは世界一!


 6月 3日(木)

  河内さんのジュリエットは可愛らしい。 
 娘は、きっとそれ以上に素敵なジュリエットになるだろう。
 そうだ、明日、ジュリエットの衣装を着せてみよう。

 
 6月 4日(金) 

  今日、ママがジュリエットの衣装を試着させてくれた。
 とてもよく似合ってるって。
 ママ、ありがとう!
 
   
 6月 5日(土)

  明日は、いよいよ運命の日。
 ついにあなたが帰ってくる。
 私の娘。
 私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。
 私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。
 私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。
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 私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。
 私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。
 私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。私の実代ちゃん。
 
 私  の  実  代  ちゃ  ん。

 


投稿者後書き

  題名そのままです(自爆)。

部長のコメント

読んでいて背中に寒けが走りました。
先生こわいよ(≧□≦)
現実と虚構が彼女の中でないまぜになってる様そのままに
いつの間にか娘としての意識が入り込んでて、怖さ倍増でした。

副部長のコメント

城田先生の病的で壮絶な娘への思いが、どこかぞわぞわと伝わってきますね。
日記の娘の部分も、無意識に書いているんだろうな・・・
正気と狂気の間で、ずっとこの日を待ち望んでいたんですよね。
クマのぬいぐるみの中で壊れていくママをずっと見ていたもう何も言えなくなってい た本当の娘は、その日をどんな気持ちで迎えていたのかな・・・とも、思いました。
娘を思うあまりにその娘の現実をすべて否定してしまっていた城田先生は、それでも 幸せだったのかな・・・・
色々、考えさせられました。
ありがとうございました。

 

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