【最後の瞬間に・・・。】

投稿者:ゆりなさん

・・・氷塊が落ちてくる・・・。
アカシックレコードに記されてる事を変えようとする、プロメテウスのはずなのに。
私は。そう・・・《恋人たち》のフェーデを手伝うはずの私がどうして《女教皇》たち
ティターンズを手伝ってるんだろ?
《女帝》はそう思った。
けど・・・。《女帝》はクスリ、と笑う。
(私が「彼女」だからに、決まってるじゃない!)私も《女教皇》としてこの光景を見たのだ。
《女帝》が消滅する瞬間を。辛い事ばかりだった。水元頼子であった時から。
《魔法使い》を信じられなかったとき、好きだと言う事をハッキリ認識した時も。
(歴史は変えられない)わかってて私はプロメテウスとなった。カーシャたちが死ぬのを、
過去の私に見せないために。でも。
(・・・しょうがないか。)私はもうすぐ消える。今、私が見ている《女教皇》も、
いつかは「私」になって、同じことを思うだろう。今、《女教皇》は辛いだろう。
消えていく意識の中、《女帝》は考える。氷塊を壊しながら。
(《魔法使い》、「彼女」を守ってね。)心から、そう祈って・・・、
《女帝》は最後の言葉を発した。
「幸せになりなさい。」


投稿者後書き

ああ、変な話。懲りずに、また送ってみました。この頃から、私《女帝》大好きなんですよ。だから、最後には何を考えてたのかな・・・。と思いながら書いてみました。読んで頂ければ幸いです。それでは。

部長のコメント

2回でてくる「彼女」という言葉。
指してる人物はそれぞれ違う人で同じ人。
時間の流れや経験が二人の立場を変えたのですが、その二人の交差する点みたいな一瞬を感じましたv

副部長のコメント

《女帝》のあの瞬間ですね。切なさと諦めと満足感と・・・いろいろな感情が溢れだしていくのが、すごくよく伝わってきました。
この瞬間を目撃している《女教皇》・・・過去の自分に、次こそはこんな瞬間が訪れないことを願う《女帝》が、すごく綺麗です。
とても素敵なお話をありがとうございました♪

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