【ずっとこんな時が…】

投稿者:成実志生さん

 ずっとこんな時が続くのだろうか。
 白い白い部屋に、独り囚われている。

 テレビの中には、たくさんの可愛い女のコたち。
 ほんの少しでいい、触れることができるのなら。
 その愛らしい声を、この耳元で聞くことができるなら。

 吐息をつきながら、ただチャンネルを変えることしかできない。

 テレビの中では、タレントが周囲に笑いをふりまいている。
 あんなふうに、みんなの笑顔を引き出すことができるなら。
 可愛い女のコに明るい笑顔を届けることができたなら。

 この動かない身体が呪わしい。
 ずっとこのままの時が続くなら、今この時にも、終わってしまえばいいものを。

 しかし。ある時、世界が変わった。
 動かない身体を変える出来事が起こったのだ。そして…。

 あ…据え膳が…。
 仲間達と、たまたま通りかかったテニスコート。
 疾風のごとくスカートをまくりあげ、ほんの少しだけ、可愛い女のコたちに触れる。
(少しずつ、全員にだろう。←片桐氏の見解)
「キャー!!!」
 少女達の歓声が耳に心地よい。(誰も喜んではいまい。←《魔法使い》の見解)
「いいかげんにしたまえ」
 石頭に引きずられ、魅惑のテニスコートに未練を残しつつ、別れを告げる。

「わかってないなあ。知れば知るほど、女のコの魅力は男を虜にするもんだぜ」

 ずっとこんな時が続けばいい。
 それが、ティターンズにいる理由。


投稿者後書き


はじめまして。成実志生と申します。
 《愚者》ファンの方、申し訳ありません。…《愚者》、壊れてますよねえ。
 
 この話は、《愚者》は人間だった頃、意外と女性に縁がなかったのでは…と考えたことから、できたものです。「女好き」とみんなに言われまくりながらも、《愚者》は博愛主義者(女性専門)のような気が…。
 あ。だから、片桐先輩と気が合うんですね。

部長のコメント

《愚者》に対する新解釈!私は彼の過去とかまったく考えたことなかったので、とても興味深く拝見させて頂きました。そうか、こういう見方も出来るのかと新しい道をみせてもらったような気持ちです。ありがとうございますv

副部長のコメント

うわぁ、フーさんだvvうんうん、フーさんって女の子は誰でも平等に好きなんですよね♪
実際に女好きになったのは精霊になってからだよなぁ・・・とあたしも思ってました。
単に物質の束縛と共に煩悩の束縛からも抜けたのかもしれませんけれど(笑)
いろいろ深読み出来る、素敵なお話をありがとうございました♪

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