【 〜どこかで・・・。〜】

投稿者:霧崎結雷さん

「《魔法使い》・・・。」
自分の中に突然浮かんできた言葉を思わず口にしていた。
けれど訊ねた相手は何も言わず
ただ輝く瞳をもって見つめてくるばかりだった・・・。

突然のゆれ
船の中に流れ込む水
部屋の中にまで押し寄せてきた波から救ってくれたのが彼だった。
波が襲ってくる寸前、抱きしめていた革のケースが突然淡い光を放ち、あたしと水との間に壁を創った。

そして・・・彼は現れた。
晴れた空のような青い色のマント
流れるような金の髪
宝石のように輝く瞳・・・。

この瞳には見覚えがあった。
いつもカードを眺めていたからだけじゃない。
・・・どこかで、本当にどこかでという感覚でしかないのだけれど
失ってしまった記憶のかけらの中に確かにその瞳は存在した。

どうしてあたしは知ってるんだろう・・・わからない
けれど・・・大切だって、一番大事なものだったんだってことはわかる。
記憶はあたしの中に存在しないはずなのに・・・。

「《魔法使い》だよね・・・」
あたしはもう一度、問いかけた。
すると彼は・・・

=END=


投稿者後書き

夏休みの最後の宿題だ!!と思いながら考えました(笑)えーいちおう《隠者》のラスト2Pぐらいのところです・・・なんというか、このときのライコちゃんの心情はどうだったんだろーねぇと考えていると即座にこの話を思いついてしまいました・・・。すると彼はどうしたんでしょーね♪まったく謎です。

部長のコメント

皆が待ちわびている(苦笑)ライコと《魔法使い》の再会ですねv
この小説のおかげで二人の再会を待ちに待ってもんもんしてる皆さまの気も少しは紛れたのではないでしょうか?
「すると彼は…」って気になるじゃないですか〜(笑)

副部長のコメント

《魔法使い》〜〜〜vvvなんかしゃべってくれ〜〜!!(笑)
やっとやっと出てきた《魔法使い》に、ライコの記憶も一気に戻ってくれればいいけれど、きっとそんなに甘くはないんでしょうね(^^;)
でも、確実に思い出した想いが、きっと「ミーナ」から「ライコ」へと戻っていくカギになりますよね!!
先を思うだけで幸せになるようなお話を、本当にありがとうございました♪

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